越境EC 東南アジア進出の始め方


コロナ禍や円安の追い風を受け、急成長をしている越境EC。

東南アジアは総人口6億1500万人。約日本の4.9倍です。さらに若年層の割合が高く、インターネット普及率も加速しており、今後の成長に期待ができるブルーオーシャンの市場です。

越境EC東南アジア進出に興味がある方はたくさんいらっしゃいます。

しかし、海外ということに躊躇してしまっている方が多いのも現実です。

ここでは始めようか悩んでいるという方が一歩を踏み出せるよう、進出の進め方をご紹介したいと思います。

販売する商品を選定する

まず、売り物である「どんな商品を販売するのか」を決めなければ始まりません。

自社の商品の中で販売したい商品はどれかを絞り込みましょう。

「Made in Japan」の商品は、品質と安全面から海外では人気を得ています。

また、以前に比べ、訪日旅行が難しいため、日本国内でしか販売されていない商品も価値があり人気となっています。

どこの国に販売するか(ターゲット)を決める

商品が決まった後は、進出する国とターゲットを決めていきます。価格などの市場調査を行い、自社の商品を求めている国や発送可能な商品かなどのリサーチを行います。

各国、文化や宗教、国民性、所得によって違いが表れるので、その国にニーズがあるのか調査し、ターゲットを絞り込みましょう。

リサーチの際には、関税や手続きもチェックします。特に禁制品の確認は大事です。意外なものが禁制品の場合もあるので販売前は必ず確認するようにしましょう。

下記サイトなどから確認することができます。

JETRO関税率・輸出入などに関する基本的な制度

日本郵便 国際郵送禁止の物を確認するページ

ECMS 受託禁止品目のページ

東南アジアの中でも越境ECが急成長している4カ国はこちら。

シンガポール

2021年の人口は約545万人と多い方ではないが、ECで買い物するユーザーの年間平均消費額は約1,000ドルと消費購買力が高めである。また、東南アジア内ではGDPが最も高い。越境EC利用率が約70%と高い。現地で人気のECモールは、全てシンガポールに拠点を持っており、将来的にも成長が期待されているのがわかる。

マレーシア

2021年の人口が約3,200万人おり、インターネット普及率は83%と高め。マレーシアはイスラム教を信仰しているマレー民族が約70%を占めているため、ハラル商品などが求められる傾向にある。日本とも友好関係が深く、親日国である。

インドネシア

2021年の人口は約2.764億となっており、人口増加が世界一と予測されています。世界4位にあたる人口がいるため、東南アジア最大のEC市場になる可能性大。30歳未満の人口比率が約50%であり、平均年齢29歳。マレーシア同様、ハラル対応が必要。日本語を学習している人が世界で2番目に多い。

べトナム

2021年の人口は約9,817万人と十分な規模。Facebookのアクティブユーザ数が7,000万人近くいると言われており、世界でも7番目の利用国。日本には約47万人の在日ベトナム人がおり、日本製品になじみのある人が多い。

東南アジアには他にも国がありますが、どの国にターゲットを置くかをよく吟味して決めるとよいでしょう。

ECサイトを構築する、または海外ECモールに出店する

ターゲットを決めた後は、商品を販売するためのプラットフォームとなるECサイトを構築、または海外のECモールに出店する手続きを行います。

プラットフォーム(自社ECサイト)

海外や国内のサーバーを使用し、自社でECサイトを作成・販売することができる。すでに知名度がある商品やブランドストーリーを伝えるのに最適。ターゲットの国に合わせた多言語・決算方法の設定が必要。

海外のECモール

国ごとに人気のECモールは異なる。複雑な手続きが不要で、簡単に出店できる。

すでに集客力のあるモールを使用することで、集客のハードルを下げることができ、広告をする必要がない。東南アジアではLazadaやshopeeが人気。 モールによっては、サポート体制が充実しており、日本人または日本語が通じるスタッフに相談することも可能。販売拡大のためのノウハウを教えてもらえることもできる。

現地への配送方法や発送元の倉庫を決める

配送方法や発送元の倉庫を決めます。海外発送は国内発送に比べて手続きが多く、手間がかかるため、可能であればフルフィルメント可能な物流倉庫の利用をおすすめします。

また、配送までのリードタイムやコストなども確認するようにしましょう。

配送方法

・販売元から直接購入者に配送

国際郵便サービスを利用し、120カ国に郵送ができて、低価格、最速で配送可能。サイズや形状の制限があり。

・フルフィルメント可能な物流倉庫

日本国内にある大型倉庫へ商品を発送します。保管や梱包、輸出手続きは代行サービス業者が行う。 または現地物流倉庫に在庫を保管し、現地倉庫にて梱包し、直接発送することも可能。

外貨の受け取りのための口座

売れた商品の代金を受け取りのための口座を開設します。

モールに出店するのであればPayoneer(ペイオニア)が簡単に紐づけでき、資金を速やかに日本の銀行口座に送金できるのでお勧めです。

中には、ペイオニアのアカウントを持っていないと決済ができないモールが世界中には多数あります。

また、費用を振込する場合などはPaypal(ペイパル)が必要となってきます。 2つの口座は同時に開設しておくといいでしょう。

商品を登録して販売する

すべての準備が整った後は、実際に商品の登録や価格を決めて販売を開始します。

写真とテキストを、細かくわかりやすく、現地の言語で伝える必要があります。

注文が入った後は、現地の言語で届く問い合わせなどに対応します。

ここまでくれば、あとは売れるのを待つのみです。

まとめ

今回、越境EC 東南アジア進出の始め方をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。
国ごとに好まれる商品や、進出方法、法律など違います。予算や目的など相談しながら、どの国に進出するか、どの販売方法がよいかじっくりと考えてみてください。

弊社では様々な国への越境ECを行っております。越境ECに関してお困りの場合はお気軽にご相談ください。