マレーシアで低価格輸入品にも売上税が課税!


はじめに
2024年1月1日、マレーシアでオンライン販売される輸入低価格品に対する売上税課税措置が施行されました。これは、従来500リンギット以下であった商品は非課税対象だったものが、一律10%の売上税が課されるという大きな変更です。

本記事では、新制度の詳細と影響、越境EC販売者への影響と対応策について解説します。

新制度の概要

マレーシアで導入された新制度では、500リンギット以下の輸入低価格品に一律10%の売上税が課されることとなりました。具体的な対象となる商品は、オンラインで販売される輸入商品であり、価格が500リンギット以下の、陸路、海路、空路でマレーシアに配送されるものです。ただし、書籍、新聞、雑誌、医療機器、政府機関や国際機関が輸入する商品は免税対象とされています。2022年8月に法案が承認され、2023年4月から施行される予定でしたが延期されていました。

この制度によって昨年まで課税されていなかった500リンギット以下の輸入低価格品が課税対象となり、全ての商品において10%の売上税が課されています。昨年にシンガポールでも同様の制度が施行されており、東南アジアにおける輸入低価格品に税を課す動きは、他の国にも波及しそうです。

新制度の目的

この新制度の目的は、政府の税収増加、国内産業の保護、そして課税公平性の確保です。マレーシア政府は、税収の増加を図り、国内産業を保護し、輸入品と国内生産品の間の競争を公平にすることを狙っています。

越境ECの台頭により海外から輸入される小口貨物の数が増加しています。海外からの小口貨物の数は今後も増加する見込みであり、上記理由を背景に新制度が設立されています。今後、本制度が撤廃される可能性は低く、将来的にも継続される見込みが強いです。

影響と対応策

新制度の影響は、消費者、販売者、そしてマレーシア経済に及びます。消費者にとっては、商品価格の上昇や購買意欲の低下が懸念されます。一方、販売者にとっては、売上税の徴収・納付義務や販売価格の上昇、競争力の低下、そしてマレーシアの税務手続きの必要性が生じます。しかし、マレーシア経済には税収増加や国内産業の活性化の効果が期待されます。

越境EC販売者にとっては、販売価格の上昇や税務手続きの必要性が影響を及ぼします。対応策としては、制度を理解し、売上税計算機能を導入したり、商品価格に売上税を含めて表示することが挙げられます。また、税務申告に関しては専門家の助言を受けることが重要です。

まとめ

マレーシアで施行された売上税課税措置は、越境EC販売者にとって大きな影響を与える変更です。販売者は、制度を理解し、適切な対応を取る必要があります。この新制度は、消費者や販売者だけでなく、マレーシア経済にも大きな影響を与えることが予想されます。

近年、販売先の国の方針変更によって、越境ECビジネス環境が劇的に変化するケースが増えています。 成功するためには、販売を検討している国の政策や規制を詳細に把握し、それに沿った戦略を構築することが不可欠です。

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